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草津のものづくりvol.01 草津焼 淡海陶芸研究所
MANUFACTURING
草津のものづくり
水と熱に強い陶器のヒミツ!
草津焼・淡海陶芸研究所
草津市内でまだまだ里山が残っている岡本町に、
1997年に草津市より指定ブランドとして認定された「草津焼」の淡海陶芸研究所があります。
特長的な焼き物づくりに取り組んでおられるオーナーの山元義宣さんにお話を伺いました。
草津は大昔に土地が隆起し出来た地形という事で、鉄分を多く含んだ大小様々な粒子が混ざった土が採れるんですが、この地元で採れる土を使った焼き物を「草津焼」としています。
今立命館大学びわこ・くさつキャンパスが建っているあたり、木瓜原遺跡から須恵器の窯や製鉄炉の跡などが見つかってまして、古い歴史がある事がわかっているんです。


淡海陶芸研究所さんでは、いろいろな商品開発をされているようですが、 いくつかご紹介いただけますでしょうか。
そうですね、剣山の代わりに花を挿せる「花珠」、これは面白いですよ。
中が空洞になっていて、たくさんの穴が開いていて、蜂の巣みたいでしょう?この穴に花を挿すんです。そうすると、剣山みたいに花茎を傷めませんから、20日以上持ちます。
これですと水揚げも簡単です。挿したまま、茎をプチプチ切るんです。
しかも、数理学的に成立していて、8の倍数で穴が開いているんです。 そうすると、穴の真下に抜け穴が絶対にくる、だから花は真っ直ぐ立つんです。
水にずっと浸けておくものですから、普通焼き物ですと、臭いが付き、カビが生えてきますよね。こうなるともう商品としては致命的ですが、草津焼だとそうはなりません。
昔は湖の底だった土を約1200℃で12時間程焼き、その熱と圧力をかけることで岩盤質で水を吸わない焼き物になるんです。

土の組成がとても大事だという事ですね。他にはどういう商品があるんでしょうか。
電子レンジや蒸し器で野菜などを調理できるお皿の「ベジボゥル」も珍しいですね。
蓋の小さな穴に絶対比なるものがあって、圧力を抜きながら湯気は出さない仕組みになっています。熱を加えても割れず電子レンジにかけられるというのは、やはり草津焼の特長で土の特性と製法によるものなんです。

こういう商品、作品はどうやって出来るのですか?
この仕事が面白いから、ずっとこんなことを考えていましてね。
それで、焼き物が出来上がってきます。一日中土と遊んで、喋ってるんですよ。
一日誰とも喋らなくても「今日は喋り疲れたわ・・・」という日もあるぐらいです(笑)
淡海陶芸研究所さんが他の工房と違う点はどういう点なんでしょうか。
まず、規模でしょうか。うちは大きい方だと思います。
あと、危機回避能力。たくさん失敗していますからね。
窯の温度を1250℃まで上げていく工程でも、窯の中の様子はいつも一緒ではないんです。いろいろと起こる事態に対応する力が無ければ、とても焼き続けてはいけませんね。技術的なことは、やっているうちに必ずうまくなります。表現力や素材の違いだとかは、それを選択するかしないかだけなんです。 うちの焼き物が好みに合うという方に選んでいただければありがたいですね。

1997年に草津市から「草津焼」として指定ブランドになりましたが、何か変わりましたか?
それまでは個展や公募展に出展するだけの作家活動でしたが、指定ブランドになってからは、地場産業として地域の行事に参加したり記念品に使ってもらったり、あと小学校の授業で見学や体験に来てもらったりしてます。
地域の人たちや子どもたちに知ってもらう良い機会をいただけるので、ありがたいですね。
今後の展望を聞かせてください。
我々は素材がまず第一にあって、それに我々が合わせていくだけ。
それに対して個人ではなく、チームで関わっていこうと考えています。一日24時間という限られた時間の中で、「私はこっちするよ」「じゃあ、これやるよ」って対応できる対応力と、チームメイトを増やしていきたいですね。
あと、買ってくださる方もチームメイトであると思っています。ものづくりの作り手やお客様と、もっとコミュニケーション出来る場所も作っていきたいです。
例えば、草津の観光の一環で午前中市内を観光し、昼食後、体験をしてもらって、夜は居酒屋で一杯。なんて、プランも出来たら面白いなと思います。
草津焼・淡海陶芸研究所では、週2日オープン工房を実施しています。
真剣に作ってみたいという方は是非一度お問い合わせください。
また、草津街あかりなどのイベントでは体験イベントを実施する事もございますので、お気軽にご参加ください。
草津焼・淡海陶芸研究所
滋賀県 草津市岡本町686-1
TEL:077-563-5934
FAX:077-563-5934
ホームページ:http://ohmitogei.com/
営業時間 10:00~
定休日 不定休
